事業承継・M&Aに必要な資金を公的融資で調達したいなら、日本政策金融公庫(JFC)の「事業承継・集約・活性化支援資金(企業活力強化貸付)」が最初に検討すべき選択肢です。2024年の制度拡充で融資限度額が倍増し、据置期間が最長5年に延長されたことで、スモールM&Aから中規模案件まで公的融資として対応できる幅が大きく広がっています。
この記事では、国民生活事業・中小企業事業それぞれの融資条件・金利優遇の仕組み・申請から実行までの流れ・審査を通すためのポイントを、公式情報をもとに体系的に解説します。信用保証協会付き融資・自治体制度・民間銀行との比較表も掲載しており、「どの制度が自分の状況に合うか」を判断できる内容にまとめています。
この記事でわかること
- 国民生活事業(小規模向け)・中小企業事業(中規模向け)それぞれの融資上限・金利・期間
- 2024年の制度拡充で具体的に何が変わったか
- 申請〜融資実行のステップとM&Aクロージングとの連動タイミング
- 審査を通すための3つの実務ポイントと注意事項
- 信用保証協会・自治体制度・民間銀行との4択比較
この記事が役立つ方
M&Aで会社・事業を買収(承継)しようとしている中小企業経営者・後継者候補。また、売り手として買い手が使える資金調達手段を事前に把握しておきたい経営者の方。
⚠️ ご注意: 本記事の融資条件・金利情報は、日本政策金融公庫公式サイトをもとに2026年6月7日時点で確認した内容です。金利は随時変動します。実際の申請・融資判断は日本政策金融公庫の窓口または税理士・中小企業診断士にご相談ください。審査結果を保証するものではありません。
日本政策金融公庫の事業承継融資とは

日本政策金融公庫(JFC)は国が100%出資する政策金融機関で、利益追求ではなく中小企業の経営安定・成長支援を目的に運営されています。民間金融機関が融資しにくい分野を補完する役割を担っており、事業承継・M&Aの資金調達においても公的な低金利融資を提供しています。
事業承継・M&A向け融資の正式名称は「事業承継・集約・活性化支援資金(企業活力強化貸付)」です。事業の譲渡・株式譲渡・合併等によって経済的・社会的に有用な事業を承継・集約する中小企業者を対象に、設備資金・長期運転資金の両方を融資する制度で、以下のような資金使途に対応しています。
- 株式取得・事業譲渡の対価の支払い
- 買収後の設備投資(PMI関連含む)
- M&A後の事業運営に必要な運転資金
- 後継者の人材確保費用・能力開発
- 承継を機に必要となった施設の賃借費用
民間銀行の事業承継ローンと比べた場合の主な特徴は3点です。①政策目的の融資であるため金利が低め(かつ区分によっては優遇あり)、②返済期間が最大20年と長く月々の返済負担を抑えやすい、③担保・保証人の相談に柔軟に応じてくれる(経営者保証免除特例制度の活用も可能)という点が挙げられます。
なお、JFCの融資窓口は企業規模によって分かれており、小規模事業者・個人事業主は国民生活事業、中小企業は中小企業事業がそれぞれの対象になります。
事業承継の全体像については 事業承継とは?手続き・流れ・税金を体系的に解説 もあわせてご覧ください。
2024年の制度拡充で何が変わったか
2024年の改定は、利用者にとって実質的なメリットをもたらす制度拡充でした。上位記事の多くがこの変更点を詳細に解説していないため、現時点(2026年6月)でJFCの利用を検討する場合は改定後の条件を前提に情報収集することが重要です。
① 融資限度額の倍増(国民生活事業)
小規模事業者向けの国民生活事業において、融資限度額が従来の水準から倍増しました。現在の別枠上限は7,200万円(うち運転資金は4,800万円まで)です。スモールM&Aでは株式取得の対価が数百万〜数千万円規模のケースが多く、この枠内で対応できる案件の幅が大きく広がっています。
② 運転資金の据置期間延長(2年以内→5年以内)
据置期間とは「返済をまだ開始しなくてよい猶予期間」のことです。事業承継・M&A直後はPMI(買収後の経営統合作業)に注力する時期であり、売上・利益が安定軌道に乗るまでに時間がかかります。据置期間が最長5年に延長されたことで、経営を軌道に乗せてから返済を開始できる選択肢が現実的になりました。
③ 運転資金の返済期間延長(7年以内→10年以内)
返済期間が最大10年に延長されたことで、月々の返済負担を分散させやすくなっています。運転資金で毎月の返済額を抑えながらPMI投資に資金を振り向けたい場合に有利です。
これらの改定内容は2024年以前の記事には反映されていない場合があります。インターネット上にある旧条件(運転資金の据置期間2年、融資限度額が現在より小さい)を参照している場合は要注意です。制度の詳細は必ず公式ページで最新情報を確認してください。
出典:事業承継・集約・活性化支援資金|日本政策金融公庫(確認日:2026年6月7日)
国民生活事業(小規模事業者・個人事業主向け)の詳細

国民生活事業は、従業員5人以下の小規模事業者・個人事業主が主な対象です(従業員数20人以下が約9割、個人企業が約7割を占めます)。事業承継融資としての基本的な条件は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
|---|---|
融資限度額 | 別枠で7,200万円(うち運転資金は4,800万円まで) |
返済期間(設備資金) | 20年以内(据置期間5年以内) |
返済期間(運転資金) | 10年以内(据置期間5年以内) |
金利 | 対象区分により基準利率・特別利率A・特別利率Bを適用 |
担保・保証人 | 希望を伺いながら相談(経営者保証免除特例制度の適用も可能) |
資金使途 | 株式取得対価・設備資金・長期運転資金(PMI費用含む) |
出典:事業承継・集約・活性化支援資金(国民生活事業)|日本政策金融公庫(確認日:2026年6月7日)
⚠️ 具体的な金利数値は随時変動します。最新の金利は 日本政策金融公庫 金利情報 でご確認ください。特に2025年12月以降、日銀の政策金利引き上げの影響を受けているため、現時点の実数値は公式ページを参照してください。
対象者の5区分
本制度を利用できるのは、以下のいずれかに該当する方です。自分がどの区分に当てはまるかを把握しておくと、申請時の書類準備がスムーズになります。
- 事業承継計画策定者(区分1): 10年以内の事業承継を計画し、現経営者と後継者が共に事業承継計画を策定している方
- 承継・集約実施者(区分2): 安定的な経営権確保(株式取得等)により事業の承継・集約を行う方
- 経営承継円滑化法認定者(区分3): 経営承継円滑化法第12条に基づく認定を受けた中小企業者(代表者・個人事業主)
- 個人保証免除申し入れ者(区分4): 経営者個人保証の免除を金融機関に申し入れたことで資金調達が困難になった方
- 第二創業・PMI実施者(区分5): 事業承継・集約を契機に第二創業・新たな取り組み・PMIに取り組む方
対象外になるケース(申請前に確認を)
- M&Aの譲渡・譲受契約がまだ確定していない段階(交渉中のみ)での申請
- 資金使途が事業承継との関連性を認められない場合
- 事業承継計画の実現可能性が著しく低いと判断された場合
中小企業事業(中規模企業向け)の詳細
中小企業事業は、中小企業基本法上の中小企業が対象です。融資上限は14億4,000万円と大きく、中規模以上のM&A案件にも対応できます。
項目 | 内容 |
|---|---|
融資限度額 | 14億4,000万円 |
返済期間(設備資金) | 20年以内(据置期間5年以内) |
返済期間(運転資金) | 10年以内(据置期間5年以内) |
金利(上限目安) | 3.0%(区分により基準利率から優遇あり) |
資金使途 | 設備資金・長期運転資金(人材確保費・施設賃借費も含む) |
出典:事業承継・集約・活性化支援資金(中小企業事業)|日本政策金融公庫(確認日:2026年6月7日)
区分別の金利優遇(中小企業事業)
中小企業事業では、対象者の区分によって基準利率からの優遇幅が変わります。認定支援機関(中小企業診断士・税理士等)のサポートを受けることが、優遇金利適用の条件になるケースがあります。
区分 | 優遇内容の概要 |
|---|---|
区分1(事業承継計画策定者) | 8億円まで 基準利率-0.4%、認定機関支援あり・現経営者55歳以上の場合は-0.65% |
区分2(承継・集約実施者) | 付加価値向上・認定支援機関利用で基準利率-0.4〜-0.65% |
区分3(第二創業等実施者) | 8億円まで 基準利率-0.65% |
区分4(円滑化法認定者) | 8億円まで 基準利率-0.4% |
区分5(個人保証免除申し入れ者) | 基準利率を適用(優遇なし) |
出典:事業承継・集約・活性化支援資金(中小企業事業)|日本政策金融公庫(確認日:2026年6月7日)
第二創業(区分3)や事業承継計画策定段階(区分1)では、認定支援機関のサポートが前提となることで最大-0.65%の優遇が受けられます。認定支援機関には商工会議所・中小企業診断士・税理士・公認会計士などが含まれます。
⚠️ 基準利率の具体的な数値は変動します。2025年12月の日銀利上げの影響を受けているため、現時点の実数値は必ず公式ページでご確認ください。
融資申請から実行までの流れ(5ステップ)

JFCの事業承継融資では、相談から融資実行まで一般的に1〜2ヶ月程度かかります。M&Aのクロージング日程を逆算して、早めに動くことが必要です。
Step 1: 事前相談(最低でもクロージング2〜3ヶ月前に)
JFC各支店の窓口に事前相談を申し込みます。電話・オンラインでの予約が可能です。事業の概要・承継の経緯・資金用途・希望融資額を説明します。相談は無料で、申請義務も生じません。
M&A仲介会社から候補案件が出てきた段階か、基本合意書(LOI)の締結が見えてきたタイミングで接触を始めると、スケジュールを合わせやすくなります。
Step 2: 必要書類の準備
以下が主な準備書類です(実際に必要な書類は窓口で確認してください)。
- 事業承継計画書(後継者・承継後の経営方針・売上見通し・PMI計画を含む)
- 直近2〜3期分の決算書・確定申告書
- 会社の登記簿謄本・定款(最新のもの)
- M&A契約書または基本合意書(締結済みの場合)
- 資金使途の内訳(株式取得対価の算定根拠・設備見積書等)
このなかで審査の核心となるのが事業承継計画書です。「誰が・いつ・何を引き継ぎ・その後どう経営するか」を具体的な数値と根拠で示す計画書が必要で、ここが不十分だと他の書類が整っていても通過が難しくなります。
Step 3: 申請書類の提出
必要書類をまとめてJFC窓口に提出します。書類の不備や不明点があると、追加資料の提出を求められることがあります。
Step 4: 審査(2〜4週間程度)
JFC担当者による審査が行われます。主な確認ポイントは①事業承継計画の実現可能性、②申請者の財務状況(返済能力)、③資金使途の適切さ、④自己資金の比率の4点です。
Step 5: 融資実行
審査通過後、金銭消費貸借契約を締結し、融資が実行されます。
M&Aスケジュールとの連動で注意すべき点
最終合意書(DA)の締結後にはじめてJFCへ相談する経営者が多いですが、融資実行まで1〜2ヶ月かかることを考えると、クロージング直前に駆け込む形になりがちです。M&Aの仲介・FAと並行してJFCの事前相談を早めに進めることが、クロージング遅延を防ぐ実務的なポイントになります。
審査を通すための3つのポイントと注意事項
ポイント1: 実現可能性のある事業承継計画書を作る
審査において最も重視されるのが事業承継計画書の質です。「誰から何を引き継ぐか」「承継後の売上・利益の見通しはどのような根拠に基づくか」「PMIをどう進めるか」が具体的に記載されていることが求められます。
根拠のない楽観的な数値や、ひな型を埋めただけの計画書では通過が難しくなります。認定支援機関(中小企業診断士・税理士・商工会議所等)にサポートを依頼することで、計画書の質を上げるとともに金利優遇の対象にもなりやすくなります。
ポイント2: 自己資金は総投資額の2〜3割程度を確保する
公式には自己資金の最低基準は定められていませんが、総投資額の2〜3割程度を自己資金として準備しておくと審査を通過しやすいとされています。自己資金が非常に少ない状態では、事業継続への本気度やリスク管理能力を示しにくくなります。他の資金調達手段(自治体の創業・承継融資、信用保証協会付き融資)と組み合わせた資金計画を立てることも一つの方法です。
ポイント3: クロージング日程から逆算して早期に動く
申請から融資実行まで1〜2ヶ月かかることを踏まえ、基本合意書の締結前後にJFCへ相談を始めることを推奨します。クロージング直前に申請しても融資実行が間に合わない可能性があるため、M&A仲介会社・FAと連携してスケジュール管理を行ってください。
審査・融資に関する主な注意事項
- M&Aの契約が確定していない段階では申請の対象外になるケースがある
- 審査結果は保証されるものではなく、否決される場合もある
- 融資後の金利変動リスクは借り手が負う(2025年12月の日銀利上げ以降は上昇傾向に注意)
- 補助金との組み合わせは可能だが、補助金は先払い型(経費支出後に交付)のため、つなぎ資金として融資を設計する必要がある
融資・税務・補助金の組み合わせ設計は個別の状況に依存するため、税理士・中小企業診断士への相談を強く推奨します。
他の資金調達手段との比較
事業承継・M&Aの資金調達にはJFC以外にも複数の選択肢があります。自社の規模・状況・スケジュールに応じて選ぶことが重要です。

調達手段 | 融資上限(目安) | 金利目安 | 返済期間 | 担保・保証 |
|---|---|---|---|---|
JFC(国民生活事業) | 別枠7,200万円 | 区分による(特別利率あり) | 最大20年 | 相談可・保証免除可 |
JFC(中小企業事業) | 14億4,000万円 | 上限3.0%・区分優遇あり | 最大20年 | 相談可 |
信用保証協会付き民間融資 | 制度による | 変動(民間銀行基準) | 制度による | 保証協会が保証 |
自治体独自制度 | 1〜2億円程度 | 1〜2.1%程度 | 9〜10年程度 | 原則不要が多い |
民間銀行(事業承継ローン) | 1,000万〜3億円程度 | 変動金利 | 1〜30年 | 要(規模により) |
出典:日本政策金融公庫公式サイト・HT税理士法人 事業承継融資解説記事をもとに整理(確認日:2026年6月7日)
⚠️ 信用保証協会・自治体・民間銀行の条件は制度・地域によって異なります。最新情報は各機関で直接ご確認ください。
JFCと信用保証協会の使い分け
JFCは直接融資(JFCが直接貸し付ける)で、信用保証協会は民間銀行への保証提供(債務不履行時に保証協会が肩代わりする)という仕組みです。性格が異なるため、組み合わせて利用することも原則可能です。
事業承継向けの信用保証協会保証制度には「事業承継特別保証」「事業承継サポート保証(個人保証免除対応)」「経営承継関連保証(円滑化法認定者向け)」などがあります。メインバンクとの関係を活かしたい場合、あるいは保証協会経由で借入総額を積み増したい場合に有効です。
こんな方・企業に向いている/おすすめしないケース
JFCの事業承継融資が向いているケース
- スモールM&A(数百万〜数千万円規模)に取り組む小規模事業者・個人事業主: 国民生活事業の別枠7,200万円の範囲内で、株式取得から運転資金まで対応できる
- 第二創業・新事業立ち上げを伴うM&A: 事業承継を機に新たな取り組みを行う場合、区分3(第二創業)の優遇金利(基準利率-0.65%)の適用を受けやすい
- 据置期間を長く取りたい方: PMI期間中に返済負担を抑えたい場合、最長5年の据置期間は大きなメリット
- 経営者保証の免除を希望している方: 経営者保証免除特例制度との組み合わせで、個人保証なしでの申請を検討できる
- 認定支援機関のサポートが受けられる環境にある方: 計画書の質が高まり、優遇金利の対象にもなりやすい
おすすめしないケース・注意が必要なケース
- 1ヶ月以内のクロージングが確定している: 審査には1〜2ヶ月かかるため、タイムラインが合わない場合がある。この場合は民間銀行の事業承継ローン等を並行して検討する
- 自己資金がほぼゼロ: 審査において自己資金比率は重要な判断材料。他の資金調達と組み合わせた計画設計が先決
- M&Aの契約がまだ確定していない(交渉中のみの段階): 申請の対象にならないケースがある。まずは事業承継計画の策定から始め、事前相談で方向性を確認する
- 事業承継計画が曖昧で実現可能性が低い: 計画書の整合性が問われる審査で落ちる可能性が高い。認定支援機関に策定サポートを依頼してから申請するのが現実的
- 数十億円以上の大型案件: 中小企業事業の上限(14億4,000万円)を超える資金が必要な場合は、民間銀行の大型融資・投資ファンド等が選択肢となる
売り手が把握しておくべき「買い手の資金調達事情」
M&Aを検討している売り手(会社を売りたい経営者)の立場から見ても、JFCの融資制度を理解しておくことには実務的な価値があります。
買い手候補の資金力の現実を知ることで価格交渉が現実的になる
国民生活事業での融資上限は別枠7,200万円、中小企業事業では14億4,000万円です。スモールM&Aの買い手候補の多くは、自己資金だけでなく公的融資を組み合わせて取得資金を調達します。買い手の資金調達の上限ラインを知ることで、交渉価格の現実的なレンジを設定しやすくなります。
クロージングのタイムラインに影響する
JFCの審査・融資実行には1〜2ヶ月かかります。買い手がJFCを利用する予定であれば、最終合意(DA署名)からクロージングまでに少なくとも1〜2ヶ月の余裕が必要です。売り手側もこのタイムラインを考慮してスケジュールを組むことが、円滑なクロージングにつながります。
買い手が公的融資を活用できる環境を整えると売却しやすくなる
JFCや信用保証協会の制度が使える案件であることが明確になると、資金力が限られる後継者候補・中小企業の買い手候補が参加しやすくなります。M&A仲介会社と相談する際に、想定買い手層の資金調達手段を意識したスキーム設計を行うことも一つの戦略です。
M&A仲介会社の選び方と比較については M&A仲介会社おすすめ比較ガイド をあわせてご参照ください。
JFCの事業承継マッチング支援とM&Aナビゲートブック(2026年4月最新)

JFCは融資制度だけでなく、M&Aのマッチング支援や実務教育プログラムも提供しています。融資申請と組み合わせて利用できるサービスです。
事業承継マッチング支援
JFCが運営するマッチングサービスでは、事業を売りたい企業(譲渡希望)と承継したい企業・後継者(譲受希望)をデータベース上でマッチングしています。令和6年度の成約実績は160件超で、「継ぐスタ」(学習プログラム)経由の成約も40件超に達しています。2026年1月時点の登録数は譲渡希望6,577件・譲受希望14,174件(累計2万件超)です。
出典:事業承継マッチング支援 お知らせ|日本政策金融公庫(確認日:2026年6月7日)
M&Aナビゲートブック(2026年4月発行・無料配布)
2026年4月、JFCはM&Aの検討からPMI実施まで各プロセスで「何を考え・何を準備すべきか」を解説する実践型ワークブック「M&Aナビゲートブック」を発行し、全国の支店で無料配布を開始しました。スモールM&Aに初めて取り組む買い手(後継者候補含む)向けの内容で、JFC窓口に相談に行った際に入手できます。融資の事前相談と合わせて活用することを推奨します。
生活衛生業(飲食・美容・旅館業)への特例
飲食業・理美容業・旅館業・クリーニング業等の生活衛生関係営業者には、「生活衛生事業承継・集約・活性化支援資金」という特例制度があります。生活衛生同業組合等から事業計画の確認を受けた場合、適用利率からさらに0.15%引き下げになります。対象業種の経営者は同業組合への確認も合わせて行ってください。
出典:生活衛生事業承継・集約・活性化支援資金|日本政策金融公庫(確認日:2026年6月7日)
よくある質問(FAQ)
Q. JFCの事業承継融資は、M&Aの売り手と買い手のどちらが使えますか?
A. 主に承継する側(買い手・後継者)が対象です。株式取得対価の支払い、承継後のPMI費用、設備投資などに利用できます。売り手が承継前の事業承継計画の策定コストや設備整備に使えるケースもありますが(区分1の計画策定者向け)、基本的な対象は承継を受ける側です。
Q. 自己資金がゼロでも申請できますか?
A. 制度上、自己資金ゼロを明示的に禁止する規定はありません。ただし、審査では自己資金が少ない場合に事業継続への本気度が問われます。目安として総投資額の2〜3割程度の自己資金を準備しておくと通過しやすいとされています。自己資金が少ない場合は、自治体の創業・承継融資制度との組み合わせも視野に入れてください。
Q. M&A仲介会社を通じた案件にも使えますか?
A. 使えます。M&Aの最終契約(株式譲渡契約書・事業譲渡契約書等)が整っている状況、または基本合意書の締結後であれば申請が可能です。ただし、契約が確定していない交渉中の段階では対象外になるケースがあるため、仲介会社と連携してタイミングを合わせることが重要です。
Q. 補助金(事業承継・M&A補助金)と組み合わせて使えますか?
A. 原則として補助金とJFC融資の組み合わせは可能です。ただし補助金は先払い型(経費を先に支出し、後から補助金が交付される)のため、支出段階のつなぎ資金として融資を活用する設計が必要です。組み合わせ設計は税理士・中小企業診断士への相談が必須です。
Q. 事業承継計画書はどのように作ればよいですか?
A. 「誰から何を・いつ引き継ぐか」「承継後の経営方針・数値目標(売上・利益の推移)」「PMIの実施計画」を記載した計画書が求められます。JFC窓口でフォーマット・記載例を入手できます。認定支援機関(中小企業診断士・税理士・商工会議所等)のサポートを受けることで計画書の質が上がり、金利優遇の対象にもなる場合があります。
Q. 現在の金利はいくらですか?
A. 金利は随時変動するため、本記事では具体的な数値を断定していません。2025年12月の日銀政策金利引き上げの影響を受けているため、現時点の実数値は必ず 日本政策金融公庫 金利情報 でご確認ください。承継形態・区分によっては基準利率から0.4〜0.65%の優遇が受けられる場合があります。
Q. 経営者保証(個人保証)なしで借りられますか?
A. 経営者保証免除特例制度の適用により、個人保証なしでの融資申請を検討できるケースがあります(区分4:個人保証免除申し入れ者は適用対象)。詳細はJFC窓口にご確認ください。
まとめ
日本政策金融公庫の「事業承継・集約・活性化支援資金」は、スモールM&Aから中規模案件まで対応できる公的融資制度です。2024年の制度拡充で融資限度額の倍増・据置期間最長5年・運転資金の返済期間最長10年が実現し、承継後のPMI期間を支援する使い勝手が大きく向上しています。
制度を活かすための実務ポイントは3点です。①質の高い事業承継計画書の策定(認定支援機関の活用を推奨)、②総投資額の2〜3割程度の自己資金確保、③M&Aのスケジュールを見越した早期の事前相談を徹底することが、審査通過とスムーズなクロージングにつながります。
専門家への相談を強く推奨します: 融資の可否・金利・資金設計は個別の事業状況によって大きく異なります。日本政策金融公庫の窓口への事前相談と合わせ、税理士・中小企業診断士・認定支援機関への相談をおすすめします。
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