会社売却に明確な「相場」は存在しません。 ただし、中小企業M&Aで広く使われる目安の計算式があります。
売却価格の目安 = 時価純資産 + 営業利益 × 3〜5年分
たとえば時価純資産1億円・営業利益2,000万円の会社なら、売却価格の目安は1億6,000万円〜2億円です。ただし、この計算はあくまで簡便法であり、業種・将来性・買い手との相性によって実際の価格は大きく変動します。
この記事でわかること:
- 会社売却の価格目安と計算式
- 3つの算定方法(年買法・DCF法・マルチプル法)の違いと使い分け
- 業種別のEBITDA倍率一覧
- 税金を差し引いた「手取り額」のシミュレーション
- 2027年からのミニマムタックス強化が手取りに与える影響
- 売却価格を高めるための具体的な準備
この記事は、会社の売却を検討していて「自分の会社はいくらで売れるのか」を知りたい中小企業のオーナー社長向けです。
会社売却に「相場」はない — ただし目安の計算式はある
結論として、会社売却には不動産のような一律の相場は存在しません。同じ売上規模でも、利益率・業種・将来性・買い手との相性によって価格は大きく変わります。
ただし、中小企業M&Aの現場で広く使われている簡便な目安があります。
年買法(年倍法)の計算式:
売却価格の目安 = 時価純資産 + 営業利益 × 3〜5年分
項目 | 内容 |
|---|---|
時価純資産 | 帳簿上の資産・負債を時価に評価し直した純資産額 |
営業利益 | 直近3期程度の平均営業利益(特殊要因は除く) |
掛ける年数 | 通常3〜5年。業種・成長性によって変動 |
具体的な計算例:
ケース | 時価純資産 | 営業利益 | 倍率 | 売却価格の目安 |
|---|---|---|---|---|
製造業A社 | 1億円 | 2,000万円 | 3年 | 1億6,000万円 |
IT企業B社 | 5,000万円 | 1億円 | 3年 | 3億5,000万円 |
小売業C社 | 3,000万円 | 500万円 | 4年 | 5,000万円 |
(出典: M&Aキャピタルパートナーズ「会社売却の相場」、fundbook「会社売却の相場とは?」、2026年4月確認)
年買法の注意点 — 万能な計算方法ではない
年買法は計算がシンプルで直感的にわかりやすい反面、理論的な根拠が薄いという専門家の指摘があります。
- 営業利益を何年分にするかの明確な基準がない(3年なのか5年なのかは交渉次第)
- 将来の成長性や市場環境の変化を十分に反映できない
- 「相場」として一人歩きしやすいが、あくまで交渉のスタートラインにすぎない
(出典: マクサス・コーポレートアドバイザリー「年買法の理論的限界」、2026年4月確認)
正式なM&A取引では、次に紹介する3つの算定方法を組み合わせて企業価値を評価するのが一般的です。
3つの算定方法 — コスト・インカム・マーケットアプローチ

企業価値評価(バリュエーション)には、大きく3つのアプローチがあります。どの方法を使うかは、会社の規模・業種・成長段階によって変わります。
算定方法の比較一覧
アプローチ | 代表的な手法 | 何を見るか | 向いている会社 | 注意点 |
|---|---|---|---|---|
コストアプローチ | 時価純資産法、年買法 | 今ある資産の価値 | 小規模〜中規模、資産が多い会社 | 将来の収益力を反映しにくい |
インカムアプローチ | DCF法、収益還元法 | 将来稼ぐ力 | 成長企業、中堅〜大企業 | 前提条件で結果が大きく変動する |
マーケットアプローチ | 類似会社比較法(マルチプル法) | 市場で似た会社がいくらか | 類似上場企業がある業種 | 類似企業の選定が難しい |
コストアプローチ(資産ベース)
「今の会社にいくらの資産があるか」を基準にする方法です。
帳簿上の資産・負債をすべて時価に置き換えて純資産を算出します。前述の年買法もこのカテゴリに含まれます。
- 時価純資産法: 資産と負債を時価評価し、純資産額を算出。清算価値に近い考え方
- 時価純資産+営業権法(年買法): 時価純資産に営業利益の数年分を加算。中小企業M&Aで最も多く使われる
メリット: 計算がシンプルで客観的。財務データがあればすぐに試算できる
デメリット: 将来の成長性やブランド価値を数字に反映しにくい。利益率が高い会社は過小評価される傾向がある
(出典: ストライク「企業価値評価の3つの算定方法」、2026年4月確認)
インカムアプローチ(収益ベース)
「この会社は将来いくら稼げるか」を基準にする方法です。
将来のキャッシュフローや収益を予測し、それを現在の価値に割り引いて企業価値を算出します。M&Aにおいて最も理論的とされるアプローチです。
- DCF法(ディスカウンテッド・キャッシュフロー法): 将来5〜10年のフリーキャッシュフローを割引率で現在価値に換算。中堅〜大企業のM&Aで最も広く使われる
- 収益還元法: 将来の平均的な収益を資本還元率で割り戻す方法。安定収益の企業に適用
メリット: 将来の成長性・収益力を最も合理的に反映できる
デメリット: 将来予測の前提(事業計画の成長率、割引率の設定)次第で結果が大きく変わる。前提が楽観的すぎると過大評価、保守的すぎると過小評価になる
(出典: 山田コンサルティンググループ「インカムアプローチ(DCF法)」、バトンズ「DCF法とは?」、2026年4月確認)
マーケットアプローチ(市場ベース)
「似た会社が市場でいくらで取引されているか」を参考にする方法です。
上場している類似企業の株価指標(EV/EBITDA倍率やPERなど)を使って、自社の企業価値を推定します。
- 類似会社比較法(マルチプル法): 類似上場企業のEV/EBITDA倍率やPER等を参考に算定
- 類似取引比較法: 過去の類似M&A事例の取引倍率を参照
メリット: 市場の実勢を反映しており、客観性が高い
デメリット: 適切な類似企業の選定が難しく、市場全体の一時的な変動に影響される
(出典: M&Aキャピタルパートナーズ「バリュエーション」、2026年4月確認)
どの算定方法を使うべきか — 企業規模・状況別の使い分け
会社の状況 | 推奨する算定方法 | 理由 |
|---|---|---|
年商5億円以下の中小企業 | 年買法(コストアプローチ) | 計算がシンプルで、買い手にも説明しやすい |
年商5億〜50億円の中堅企業 | DCF法 + 年買法の併用 | 成長性の評価が重要になる規模帯 |
成長中のIT・SaaS企業 | DCF法またはマルチプル法 | 資産が少なく、将来の収益力が価値の大部分を占める |
不動産・製造業(資産が多い会社) | 時価純資産法ベース | 土地・設備等の資産価値が大きい |
赤字だが技術・顧客基盤がある会社 | マルチプル法 + DCF法 | 資産法では価値が低くなりすぎるため |
実際のM&Aでは、複数の方法を組み合わせて価格のレンジ(幅)を算出するのが一般的です。1つの方法だけに頼ると、売り手・買い手のどちらかが不利になるリスクがあります。
業種別EBITDA倍率の目安 — 自社の業種ではいくらが目安か

マルチプル法で使われるEBITDA倍率は業種によって大きく異なります。以下は上場企業ベースの参考数値です。
業種 | 平均倍率 | 中央値 | 傾向 |
|---|---|---|---|
情報・通信(IT) | 17.4倍 | 8.9倍 | 無形資産・高収益性が評価される |
サービス業 | 15.3倍 | 8.0倍 | 人的資本中心で設備投資が少ない |
小売業 | 8〜12倍 | 6〜8倍 | 店舗網・ブランド力による |
パルプ・紙 | 6.2倍 | — | 資本集約型 |
鉄鋼 | 5.7倍 | — | 大規模設備投資が必要 |
輸送用機器 | 5.6倍 | — | 資本集約型 |
中小企業M&A全般 | — | — | 2〜10倍が現実的な目安 |
(出典: 日本M&Aセンターグループ調査、2026年4月確認)
注意: 上表は上場企業ベースの倍率です。中小企業M&Aでは規模ディスカウントが適用されるため、実際の倍率はこれより低くなる傾向があります。目安としては上場企業倍率の50〜70%程度と考えるのが現実的です。
EV/EBITDA倍率を使った計算例:
- EBITDA(営業利益+減価償却費): 5,000万円
- 業種別倍率: 6倍
- → 事業価値 = 5,000万円 × 6 = 3億円
- → ここから有利子負債を差し引き、余剰現金を加算して株式価値を算出
売却価格に影響する8つの要因
会社売却の価格は計算式だけでは決まりません。以下の要因が価格を上下させます。
価格を左右する主な要因
要因 | 影響度 | 具体例 |
|---|---|---|
財務状況 | ★★★ | 営業利益率・キャッシュフロー・負債比率。買い手が最も重視する |
業種・業界動向 | ★★★ | 成長市場(IT・ヘルスケア等)は高倍率、衰退市場は低倍率 |
将来性・成長余地 | ★★☆ | 新規事業の見込み、市場拡大の余地 |
無形資産 | ★★☆ | 技術・特許・ブランド力・長期顧客契約 |
人材・組織 | ★★☆ | キーパーソンの残留可能性、オーナーに依存しない組織体制 |
シナジー効果 | ★★★ | 買い手との相乗効果が見込めるほど価格は上がる |
M&Aスキーム | ★★☆ | 株式譲渡か事業譲渡かで税金・手取りが変わる |
市場環境 | ★☆☆ | 売り手市場か買い手市場か、金利環境 |
(出典: M&Aキャピタルパートナーズ、fundbook各記事、2026年4月確認)
赤字企業でも売却できるのか
赤字でも売却できるケースは少なくありません。 赤字だからといって「売れない」と判断するのは早計です。
- 技術力・特許がある場合: 買い手がその技術を取得する目的で買収するケース
- 顧客基盤がある場合: 固定客リストや長期契約の価値
- 不動産や設備がある場合: 時価純資産だけでもプラスになるケース
- 買い手のコスト削減につながる場合: 買い手が自社の事業と統合して黒字化できると判断するケース
ただし、赤字企業の場合は年買法やDCF法では低い評価しか出ないため、マルチプル法(類似取引比較)や個別交渉で価値を伝える工夫が必要になります。
売却価格と手取り額は違う — 税金・手数料のシミュレーション

会社を売却しても、売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。税金とM&A仲介手数料を差し引いた金額が実際の手取りです。
株式譲渡の場合(個人株主・2026年時点)
税目 | 税率 |
|---|---|
所得税 | 15% |
復興特別所得税 | 0.315%(所得税の2.1%) |
住民税 | 5% |
合計 | 20.315% |
手取り額シミュレーション:
項目 | 金額 |
|---|---|
売却価格 | 1億円 |
取得費(出資額) | 1,000万円 |
M&A仲介手数料 | 500万円 |
譲渡所得 | 8,500万円 |
税額(20.315%) | 約1,727万円 |
手取り額 | 約7,773万円 |
(出典: 国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税」、2026年4月確認)
事業譲渡の場合(法人)
税目 | 税率 |
|---|---|
法人税等 | 約30% |
消費税 | 10%(対象資産に課税) |
事業譲渡の場合は法人に譲渡益が残るため、そこから役員報酬や配当として受け取る際にさらに個人の所得税がかかります。手取り額は株式譲渡と比べて少なくなるケースが多いです。
株式譲渡と事業譲渡の比較
比較項目 | 株式譲渡 | 事業譲渡 |
|---|---|---|
売却対象 | 会社全体(株式) | 選んだ事業・資産だけ |
税率 | 約20.315%(分離課税) | 法人税約30% + 個人課税 |
手続きの複雑さ | 比較的シンプル | 資産・契約の個別移転が必要 |
簿外債務リスク | 買い手が引き継ぐ | 買い手は選択した資産のみ |
会社の存続 | 売却後は買い手の会社に | 法人格は売り手に残る |
オーナーの手取り | 多くなる傾向 | 二重課税で少なくなりやすい |
中小企業オーナーの会社売却では、税負担の面から株式譲渡が選ばれるケースが大半です。
2027年からのミニマムタックス強化 — 売却タイミングに注意
2026年度税制改正により、2027年分の所得から高額の株式譲渡に対する課税が強化されます。億単位の会社売却を検討しているオーナーは、売却時期が手取りに大きく影響する可能性があります。
改正内容の比較
項目 | 改正前(〜2026年分) | 改正後(2027年分〜) |
|---|---|---|
控除額 | 3.3億円 | 1.65億円 |
追加税率 | 22.5% | 30.0% |
影響を受ける目安 | 年間約10億円超の譲渡所得 | 年間約3.4億円超の譲渡所得 |
具体的な影響シミュレーション
例: 譲渡所得5億円のケース
項目 | 2026年中に売却 | 2027年以降に売却 |
|---|---|---|
基本税額(20.315%) | 約1億158万円 | 約1億158万円 |
ミニマムタックス追加税額 | 0円(控除内) | 数千万円規模の追加課税 |
手取りの差 | — | 数千万円〜億単位の差が出る可能性 |
(出典: マクサス・コーポレートアドバイザリー「2026年度税制改正速報ミニマムタックス」、M&Aベストパートナーズ「株式譲渡の税率上昇について」、2026年4月確認)
重要: 売却金額が大きい場合、2026年12月末までに譲渡を完了するか、2027年以降になるかで手取り額に大きな差が生じます。タイミングを含め、早めに税理士・M&Aアドバイザーに相談することをおすすめします。
※ 税制に関する記述は2026年4月時点の情報に基づいています。具体的な税額の計算や売却タイミングの判断は、必ず税理士・公認会計士にご相談ください。
売却価格を高めるための10の準備

会社の売却価格は、事前の準備次第で大きく変わります。M&Aの現場では「磨き上げ」と呼ばれる準備作業が価格に直結します。
売却前にやるべきこと
1. 財務状況の改善
不要資産の処分、借入金の圧縮、利益率の向上。買い手が最初に見るのは利益の水準です。
2. 収益の安定性を証明する
長期契約の増加、特定顧客への売上依存度の低減、複数年にわたる安定した利益推移を示す。
3. オーナーへの依存度を下げる
「社長がいなくても回る組織」であることが買い手の安心材料になります。業務マニュアルの整備、権限委譲が有効です。
4. 自社の強みを明文化する
技術力・特許・ブランド力・顧客リストなど、目に見えにくい資産を整理し、買い手に伝えられる資料を作る。
5. 複数の買い手候補を確保する
1社としか交渉しない場合、価格交渉で不利になります。M&A仲介会社を活用して複数の候補と接点を持つことで、競争環境を作れます。
6. シナジーを最大化できる相手を選ぶ
同業他社や隣接業種の会社は、自社の顧客基盤・技術・販路に高い価値を感じるため、価格が上がりやすい。
7. 売却タイミングを見極める
業績好調時、業界が成長期にあるとき、経営者の体力があるうちに売却するのが基本です。
8. M&A仲介会社・FAを活用する
適正な価値算定、買い手とのマッチング、交渉力の面で、専門家の活用は価格の最大化に直結します。
9. デューデリジェンス対策を事前に行う
買い手は買収前に法務・財務・労務の調査(デューデリジェンス)を行います。問題が見つかると価格が下がるため、事前に洗い出して対処しておく。
10. 帳簿と実態の整合性を確認する
個人的な支出が経費に混ざっていたり、帳簿外の債務があったりすると、買い手の信頼を損ないます。透明性の高い帳簿を準備する。
(出典: MAstory、M&Aキャピタルパートナーズ、MAポートNEWS各記事、2026年4月確認)
こんなオーナーは早めに専門家へ相談を
早めの相談をおすすめするケース
- 年商1億円以上で後継者がいない — 事業承継型M&Aの候補。早めに動くほど選択肢が広がる
- 2026年中に売却を完了したい — ミニマムタックス強化前の売却を検討している場合、交渉〜クロージングに6ヶ月以上かかることが多い
- 業績が好調な今のうちに売りたい — 業績悪化後の売却は価格が大幅に下がる
- 自社の企業価値がわからない — 無料で簡易査定を提供しているM&A仲介会社も多い
まだ急がなくてもよいケース
- 後継者が決まっており、親族内承継の準備が進んでいる
- 売却自体を決めておらず、事業を継続する意思が明確
- 直近で大きな設備投資を行ったばかりで、回収に時間がかかる段階
M&A仲介会社の選び方 — 適正な査定を受けるために
会社売却の価格は、どの仲介会社に依頼するかによっても変わります。仲介会社の選定ポイントを整理します。
選定基準 | チェックポイント |
|---|---|
手数料体系 | 成功報酬型か、着手金・中間金があるか。最低報酬額はいくらか |
対応規模 | 自社の規模帯(年商)に実績があるか |
業界知識 | 自社の業種に詳しいアドバイザーがいるか |
買い手ネットワーク | 候補先を多く紹介できるか |
M&A支援機関登録 | 中小企業庁の登録制度に登録しているか |
中小企業庁は2021年から「M&A支援機関登録制度」を運用しており、登録機関には手数料体系の事前開示が義務付けられています。仲介会社を選ぶ際は、まず登録機関かどうかを確認することをおすすめします。
関連記事:
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- M&A仲介会社おすすめ比較 — 主要仲介会社を一覧比較
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よくある質問(FAQ)
Q. 年商1億円の会社はいくらで売れますか?
年商だけでは売却価格は決まりません。重要なのは営業利益です。たとえば年商1億円・営業利益1,500万円・時価純資産3,000万円の会社であれば、年買法で7,500万円〜1億500万円が目安になります(営業利益×3〜5年+時価純資産)。ただし、業種や将来性によって上下します。
Q. 赤字の会社でも売れますか?
売れるケースはあります。赤字でも、技術力・特許・顧客基盤・不動産などの資産があれば買い手がつく可能性があります。ただし、利益が出ている会社と比べると価格は低くなる傾向があり、買い手探しにも時間がかかります。
Q. 企業価値の算定だけお願いすることはできますか?
M&A仲介会社の多くは、初回相談・簡易査定を無料で提供しています。正式なバリュエーション(株価算定書の作成)は、公認会計士やM&Aアドバイザリーファームに別途依頼するのが一般的で、費用は50万〜300万円程度です。
Q. 算定から売却完了までどのくらいかかりますか?
一般的に6ヶ月〜1年が目安です。買い手探し(2〜4ヶ月)→ 交渉・デューデリジェンス(2〜4ヶ月)→ 契約・クロージング(1〜2ヶ月)という流れが典型的です。ただし、業種や条件によっては1年以上かかるケースもあります。
Q. 株式譲渡と事業譲渡、どちらが手取りは多いですか?
多くの場合、株式譲渡のほうが手取りは多くなります。株式譲渡の税率は約20.315%(分離課税)ですが、事業譲渡は法人税(約30%)が課された後、さらに個人への配当時に課税されるため二重課税になりやすいです。ただし、個別の事情によって異なるため、税理士に確認することをおすすめします。
まとめ — 自社の売却価格を知るための第一歩
会社売却に一律の「相場」はありませんが、年買法(時価純資産+営業利益×3〜5年)が最も広く使われる目安です。
ただし、正確な企業価値を知るには、3つの算定方法(コスト・インカム・マーケットアプローチ)を組み合わせた評価が必要です。特に以下の点に注意してください。
- 売却価格と手取り額は違う — 税金(約20.315%)とM&A仲介手数料を差し引いた金額が実際の手取り
- 2027年からミニマムタックスが強化される — 高額の売却を検討しているなら、売却時期の検討が重要
- 価格は準備次第で変わる — 財務改善・組織整備・複数の買い手確保が価格を引き上げる
「自分の会社がいくらで売れるのか」を正確に知るには、まずM&A仲介会社の無料相談・簡易査定を利用するのが最も手軽な方法です。複数社に相談することで、自社の価値をより客観的に把握できます。
※ 本記事の税制・費用に関する情報は2026年4月時点のものです。M&Aの意思決定にあたっては、税理士・弁護士・M&Aアドバイザーなどの専門家にご相談ください。
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